丹波篠山に移住後すぐに飼い始めたひよこたちには、ずいぶん助けられてきました。
新しい土地での慣れない生活。
子どもたちは3歳1歳と小さく、夫は長時間通勤でほとんどいない…。
移住当初、不安なときはピヨピヨ鳴くひよこたちが傍らにいると、ほっと癒されました。
あれから丸4年。(2024年現在)
にわとりと暮らす生活が、すっかり当たり前です。
家族で、家畜で、ペットである鶏たち。
鶏たちに癒され、卵を美味しくいただく。
精神的にも物理的にも、鶏たちには助けられていると感じます。
鶏たちと暮らすことで、田舎暮らしがより豊かになりました。
今回の記事では、
- わが家が田舎暮らしをはじめて、にわとりを飼う理由
- にわとりを飼うメリットデメリット
この2点を紹介します。
にわとりを飼い始めた理由
田舎暮らし=にわとりがいる
そんなイメージはありませんか?
丹波篠山へ移住したら、まずは鶏を飼おう!
そして、育てた鶏が産む卵で卵かけご飯を食べたい。
そんなあこがれから、移住後まだ家も片付いていない状態で、ひよこをどうすれば飼えるか探し始めます。
しかし、思いのほか、ひよこの入手は苦労しました。
にわとりを飼うメリット
鶏はかわいい♡最高に癒される
私はひよこよりも大人の鶏が好き。
成長してふっくら肉付きがよく、羽がつるつるで美しい。
おっとりさん、しっかりさん、マイペース。
いろんな性格の鶏がいて、人間社会と同じやなぁ、と感じています。
産みたて卵が美味しい
初産み卵で食べた、卵かけご飯の濃厚な味に感動しました。
初産み卵
初卵(ういらん)ともいう。
産み始めてから1ヶ月ほどの卵で、サイズは小さめ。
妊婦さんの安産祈願に送るなど、縁起物になる貴重な卵。
実際、初卵は味が濃くて旨味が強い卵です。
スーパーで買う卵とは味が全然違う美味しさですよ。
自分で育てた鶏が産んだ卵
そんな思い入れもエッセンスとなり、毎日ありがたく、美味しくいただいています。
自家製たまごのおすすめの食べ方は、たまごかけごはんやゆで卵、卵焼きなど。
調味料はできるだけ使わない、卵の味を味わえるシンプルな食べ方です。
子どもに生き物の大切さを教え、食育ができる
- 自分が食べている卵が誰が産んでいるか
- にわとりはどうやって育つか
口に入るもの、身近にある食べ物の成り立ちを生活のなかで学んでいます。
にわとりがカエルや虫を食べる姿を見て、食物連鎖をなんとなく理解しているでしょう。
本で見るだけでなく、にわとりの体温を感じる体験をしながら、人間以外の生き物・命を大事にする気持ちが育ってくれたらいいな。と思っています。
田舎暮らしを実感
地方移住前の大阪では庭が狭い(ない)ので、鶏を飼っている人を見たことがありませんでした。
田舎暮らし=鶏というイメージから、庭でにわとりが歩いている姿を見ると、田舎で暮らしてるなーと実感しています。
実際、広い土地がないと鶏を飼うのはなかなか難しく、住宅街での鶏飼育は、鳴き声や糞の臭いでトラブルになることが多いです。
食物ロスを減らせる
くず野菜や残ったごはんは、にわとりたちが食べ、それが卵となって生まれかわります。
雑草・害虫を食べてくれる
鶏は食欲旺盛で、にわとりがいる場所はすぐに雑草がなくなります。
雑草だけでなく、植えている野菜ももちろん食べるので、家庭菜園は対策をしないと数時間で野菜が食べつくされるデメリットもあるのですが…。
また、にわとりのおかげで、むかでやカメムシの発生が少なくなります。
これらの虫はにわとりの大好物で、部屋で捕まえたらにわとりにあげています。
よく食べると卵のサイズも大きくなるので一石二鳥です。
産んだ卵は、おすそ分けに、お礼に、ご挨拶に
- ご近所の方にお野菜を大量にいただいたので、お礼にわが家の卵を渡す
- お世話になった方に、卵持参でご挨拶
- 卵と野菜などを物々交換している人もいる
鶏が卵を産むようになってから、ちょっとしたお礼の品やプレゼントは迷う必要がなくなりました。
昔は各家庭に鶏を飼っていたそうですが、今では田舎でも鶏がいる家は少ないです。
そんな理由もあって、育てた鶏の産みたてたまごの価値はやはり高いです。
卵はどの家庭でも食べるもので、とても喜ばれる品。
卵はご近所との大切なコミュニケーションツールにもなり、重宝しています。
鶏飼育のデメリット
365日のお世話が大変
ひよこのうちは温度管理に注意が必要です。
初めてひよこを迎えたときは、ひよこの様子を何度もチェックして『大丈夫かな?』と心配でした。
大きくなっても極端な暑さ、寒さ、強風には対策が必要です。
害獣対策、脱走防止など、にわとりが安全に快適に過ごせる環境作りは欠かせません。
毎日小屋を掃除して、餌をあげて水を変えて。
草がなくなれば、土ごと運んであげることもあります。
カエルやバッタも子どもたちが収集して、今日のおやつにどうぞ。
旅行は誰かに世話を頼めばできますが、基本的にいけません。
鶏のお世話は無休で続きます。
子育てと一緒で、鶏への愛がないとなかなかお世話は続かず、飼育環境が悪いと卵を産まなくなります。
卵を産める期間は意外に短い
にわとりの寿命は10年といわれています。
この間、ずっと産卵するわけではなく、5,6年で卵を産まなくなります。
1,2歳ごろがよく産む期間、それ以降ゆるやかに産卵数は落ちます。
わが家の最年長は産卵から4年目のピンキー。
4年目を迎える前に3か月産卵が止まりましたが、また産卵再開。
それからまた、ほぼ毎日産んでいます。
養鶏場では2年もたたず食用にして、次の若い鶏に入れ替えるというサイクルです。
人間の都合で、こんな過酷な状況で鶏が利用されている事実は胸が痛いです。
飼育環境でのストレスの有無が、産卵率に大きく影響するのは間違いありません。
のびのび育てれば、病気になる子はいません。
体調が悪そうなときもすぐに回復しています。
鶏を飼育するなら、アニマルウェルフェアを意識して、できるだけ鶏が幸せになる飼い方をしてあげてください。
メスも鳴き声が大きい
鶏のメスは鳴かないから住宅街で飼える。というのは間違いです。
メスの鳴き声はかなり大きいです。
鶏の鳴き声だけでなく糞のニオイもあり、ご近所トラブルで鶏を飼えなくなり泣く泣く手放す方もいます。
オスのコケコッコーに負けず劣らず、メスの鳴き声は大きいのでどこでも飼育できるわけではありません。
ご注意ください。
【まとめ】にわとりとの田舎暮らしは幸せが多い
メリット
- 鶏は可愛い
- 育てた鶏の卵は美味しい
- 子どもの食育ができる
- 田舎暮らしを実感
- 食品ロスを減らせる
- 雑草、虫を食べる
- 卵は近所とのコミュニケーションツール、おすそ分けなどに
デメリット
- お世話が年中無休
- 卵を産む期間は意外と短い
- メスも鳴き声が大きい
にわとりは、美しく賢く愛おしい生き物です。
家畜であり、ペットであり、家族。
鶏を飼い始めて、彼女たちの魅力にすっかり虜になりました。
田舎暮らしをはじめたら鶏を飼う。
鶏飼育は大変さもあるけれど、喜びや幸せをたくさん運んできてくれます。
卵を産んでくれる彼女たちに感謝しつつ、今日も美味しく卵をいただきます。