私たちは宿を開業する前に、丹波篠山市起業支援助成金と兵庫県起業家支援助成金(一般事業枠)、2つの助成金申請に採択されました。
その経験から、助成金申請で採択される事業計画書のポイントを紹介します。
せっかく助成金に応募したのに不採択…。そんな経験をした人は少なくありません。
採択されるかどうかの大きな分かれ目は事業計画書の書き方にあります。
なぜなら、助成金の審査員は、限られた時間で多くの計画書を読むからです、その中で分かりやすく納得できる事業計画書を作れるかどうかが勝負になります。
助成金申請の事業計画書に求められる視点
- 通常の事業計画書
- 助成金申請用の事業計画書
この2つの事業計画書の大きな違いは、政策目的との一致が求められる点です。
つまり、あなたの事業が国や自治体が解決したい課題にどう役立つのかを明確に示す必要があります。
単に、儲かる事業というだけでは不十分で、社会や地域にどんな効果を生むかを意識して書くことが、採択への第一歩なんです。
事業計画書作成の基本ステップ
助成金用の事業計画書は、以下の流れで書くと整理しやすいです。
- 事業の背景・課題 … なぜ必要かを社会的背景とともに説明
- 事業の目的 … 助成金の趣旨に合った目的を設定
- 事業内容 … サービス・ターゲット・進め方を具体的に
- 市場性・将来性 … 数字やデータで裏付ける
- 収支計画 … 助成金の活用方法と事業継続性を明確に
- 効果・期待される成果 … 雇用や地域活性化など社会的メリット
この流れに沿って作れば、読み手が納得できる筋の通った事業計画書に仕上がります。
ターゲット顧客の設定はできるだけ明確に、考え方は以下の記事で紹介しています。

事業計画書を読まれやすくする工夫
審査員は何十件、何百件もの計画書を読みます。だからこそ読みやすさが重要です。
- 難しい専門用語、表現をさけ、誰にでも分かる言葉を使う
- 図や表を活用して視覚的に理解しやすくする
- 長文は避け、箇条書き、段落を活用。パッとみて読みやすいかを意識する。
どんなに良い事業内容でも、読み手に伝わらなければ意味がありません。
一目で伝わる工夫を心がけましょう。
よくある失敗例
実際に不採択になった事業計画書には、いくつか共通点があります。
- 助成金の目的とずれている
- ターゲットが不鮮明で、誰のための何のためのどんなサービスかが見えにくい
- 根拠やデータがなく説得力が弱い
- 実現方法が曖昧で計画性に欠ける
- 『お金が欲しい』という姿勢が前面に出ている
ありがちな失敗を避けるだけでも、採択率はグッと上がります。
助成金申請に採択されやすいポイント
採択されやすい事業計画書には、次のような特徴があります。
- 助成金がなくても、事業をやりたいという意志が見える
- 地域や社会への貢献を強調している
- 集客方法が明確で、根拠がある
- 助成金終了後の自走イメージを描いている
助成金はあくまで事業を始めるための後押しです。
その先にある事業の継続性や社会的意義を描ける事業計画書が、審査の場で高く評価されます。
【実例公開】兵庫県助成金事業に採択された事業計画書
兵庫県起業家支援事業(一般事業枠)で採択された事業計画書(一部)です。

夫婦起業したゲストハウスの事業計画書です。
ホームページは以下です、ターゲットがしっかり設定されていてサービス内容も顧客の悩みを解決するものになっています。

【まとめ】初心者もポイントを押さえれば助成金申請が通る事業計画書ができる
- 事業計画書作成の基本ステップに沿ってつくる
- ターゲット顧客をしっかり設定すると、サービス内容が明確になる
- 事業の目的(サービス内容)と助成金の趣旨を合わせる
- 開業後の自走イメージ(集客)を明確にする
助成金申請の事業計画書は、事業の良さだけでなく、国や各市町村の“政策とのつながり”と“社会的効果”を意識して書くことがポイントです。
分かりやすさ、根拠、継続性を意識すれば、採択への可能性は確実に高まります。
もし不安があれば、専門家のチェックを受けるのも効果的ですよ。