初めての飲食業を夫とともに任された数年前。
メニュー表作りは当初とても戸惑いました。
いろんなお店に行っては、どんなメニュー表を使っているのかチェック。
シンプルなメニュー表はおしゃれ!
という結論になり、文字と簡単なイラストが入ったメニュー表1枚を作りました。
しかし、客単価はそこそこ。
思い切って料理写真をどーんと入れた10pのメニューブックを作ると、客単価がアップ。
飲食店の売り上げに貢献しました。
メニュー表は、来店したお客さんに店のサービス(料理)の魅力を伝える努力の結晶だと実感しました。
メニュー表を変えて客単価がアップした経験から、お客さんが頼みたくなるメニュー表作りのコツを紹介します。
飲食店のメニュー表の役割
メニュー表は、お客さんに料理の内容やこだわりを伝える重要な役割をしています。
来店客の疑問に答える
ランチメニューであっても、前菜、メイン料理、ドリンクなどを選ぶシステムは複雑です。
初めて行ったお店で、メニュー表を見ても分かりにくく、注文に困った経験はありませんか?私はあります!
お店の人は自分の店のシステムはよく分かっているから、それほどメニュー表を重要視していない、と感じることは多いです。
メニュー表で、お客さんが感じるギモンを解決できる内容にすれば注文もスムーズです。
また、お客さんのストレスや不安もなくなり、料理を心から楽しめ満足につながります。
- ごはんの量
- どんな食材を使っているか
- セット内容
初めてきたお客さんが、きっと分かりにくいだろうと思うメニューの内容。
想像できる事は、できるだけメニュー表に載せるととても親切です。
例えば、セット内容が写真で表示されていれば、このメニューを頼めばどんな料理が出てくるか一目瞭然。
こんなことは、わざわざ書かなくてもいいだろう。
店側のそんな思いがお客さんを混乱させています。
見やすいメニュー表は注文したくなる
何を頼むか決めてきました。
席についてメニューを渡そうとすると、そう言われる方がいてびっくりしたものです。
- 来店前にメニューを決めておいて、だいたいの予算を計算しておきたい
- 時間を無駄にしたくない
理由はそれぞれですが、来店前にメニューをチェックしてくるお客さんもいます!
そんなときに、ホームページやSNSでメニューが確認できれば、来店前の不安もなくなり、安心して来店する方が増えます。
そして、メニュー表を写真付きのメニューブックに変えてから、注文後の待ち時間など、時間を持て余しているときにメニューブックに目を通している方が増えました。
食後のドリンク、お土産の紹介などにも興味を持ち、注文や購入につながることが多かったです。
メニュー表作りのコツ
デザイン性から見やすさ重視
初めて作ったメニュー表は、文字とイラストを入れ、クラフト紙を使ったシンプルなものでした。
シンプル=おしゃれ!と思っていたからです。
来店客にもっと注文してもらうために作ったメニューがコチラ↑
料理写真をどーんと掲載し、メニューの詳しい内容やこだわりを記載しました。
メニューブックは黒い表紙で古い喫茶店のイメージでしたが、実際メニューブックを作ってみると高級感が感じられる仕上がりになりました。
クラフト紙にプリントアウトしたメニューを差し込みます。
このとき、写真部分は削除しています。
写真部分は白い印刷用紙に印刷して、切り抜いて貼り付けました。
クラフト紙のみのメニュー表は、数日でぼろぼろになってしまい、ストレスを感じていました。
メニューブックを使うことで、繰り返しきれいに利用できて便利でしたよ。
こんな経験から、チェーン店のメニュー表はよく考えられているなぁ、と感心するようになりました。
利用客の年齢層も広く全国展開しているお店は、それだけ売上を上げる努力をしているということなんです。
松竹梅の法則
松竹梅の法則とは、3段階の選択肢(グレード)があるとき、人間は無意識のうちに真ん中の選択肢を選んでしまう傾向があるという心理効果です。
ゴルディロックス効果とも呼ばれます。
- Aランチ2200円
- Bランチ1400円
- Cランチ800円
人は、極端な選択を避ける性質があります。
高すぎると値段の割に満足が得れないかもしれない、安すぎると美味しくなくて損をするかもしれない。
じゃあ真ん中Bランチを選ぼう!というわけです。
選択肢が2つだと安いほうに、4つ以上だと決めきれず利用しない(保留)傾向がありあす。
その法則を利用して、メニューは店の看板メニューを決め、大中小のサイズで分ける、看板メニューが真ん中の価格になるような他のメニューを作ります。
限定メニューで購買意欲を上げる
平日限定、春限定など
スノッブ効果といって、他の人は食べられない希少性・特別感があるメニューほど人は食べたくなる心理を利用して、レストランでも限定メニューを導入すると購買意欲が上がります。
写真で美味しさを伝える
料理写真撮影のコツは、下記の記事で詳しく紹介しています。
- 逆光(斜め後ろ45度)の自然光
- 構図は人気店を参考に
- 何枚も撮影して一番美味しそう!な写真を選ぶ
などなど、写真から『美味しそう!』が伝わる、シズル感のある写真を載せましょう。
料理写真を変えると、SNSでの反応も大きく変わります。
料理は見た目が8割です。
こだわりを伝える
- 言わなくても分かるだろう
- 食べてもらえたら伝わるだろう
お店のこだわりや美味しさは、言わないと伝わらないんですよね!
誰がどんな想いで作ったのかをしっかり伝えると、料理がより美味しく感じてもらえます。
店内でパティシエが丁寧に作った焼き菓子
たとえば、商品をこんなふうに書くだけで興味をそそられます。
さらに原材料はこだわりの卵を使っていて、コーヒーに合う。という説明があれば、珈琲とセットで焼き菓子を食べたいという気持ちが出てきます。
文字の大きさ、フォントにこだわる
店のコンセプトに合ったフォントを選びます。
高級、洋風、和風、かわいいなど、フォントで表現方法は大きく変わります。
広報を担当した飲食店は、老若男女関わらず来店する店でした。
高齢の方向けにフォントは大き目です。
いちばん大きい文字で30px、小さい文字は17px。
「文字が小さすぎて見えない」という来店客のストレスをなくすために、フォントの大きさにはこだわりました。
デジタルメニューの作り方
広報を担当したホームページに掲載していたメニューブックです。
- 右上の共有
- 一番下のもっと見る
- 検索窓にheyzineと入力
- ページを設定し保存
- heyzine flipbooksで表示を
- 左上のshare
- 真ん中らへん の、</>Web / Embed
- 必要なら高さHeightを変更し、</>Copy html codeをコピー
- カスタムhtmlを表示
- コピーしたコードをペースト
- プレビューで表示を確認
デザインができていれば、デジタルメニュー化は初めてでも5分くらいあればできる簡単な作業です。
デジタルメニューブックは必須とはいいません。
でも、来店前にメニューをチェックしたいお客さんには好評で、来店につながるケースが多かったです。
【まとめ】飲食店はお客さんが注文したくなるメニュー表を作ろう!
- 料理の内容、食材、量など、注文前の疑問を解決
- 料理のこだわりを伝えるツール
- 写真、値段設定、フォントで売上が変わる
- ホームページ、SNSにもメニュー表を載せる→集客につながる
たかがメニュー表、されどメニュー表
飲食店の広報を担当し、飲食店でのメニュー表の役割や効果を実感しました。
シンプルにデザイン性の高いメニュー表も、もちろんお店の雰囲気に合っている場合もあります。
だけど伝えなければ伝わらない!
こんな美味しい料理を食べなきゃ損ですよ!というくらいの意気込みでメニュー表を作って損はありません。
メニュー表作りは面倒ですが、一度作ってしまえば、お店の宣伝隊長としてがんばってくれます。