田舎に移住して4年後の2024年、わたしたち夫婦は田舎で古民家ゲストハウスをはじめました。
宿泊業(ゲストハウス運営)は、夫も私もバイトすらしたことない初めての業種で、開業前は不安だらけでした。
多くの失敗をしながらも、開業1年目はゲストハウス経営を黒字化に成功。
田舎でも人が集まる店作りはできる
この経験を通して、地方での起業をあきらめることはないと実感できました。

田舎だからこそ提供できるサービスや環境があります。
私たち夫婦が、ゲストハウスをはじめた経緯、開業準備の現実、集客できた理由などゲストハウス経営黒字化のために取り組んだことを紹介します。
田舎でゲストハウスをはじめた理由
大阪から丹波篠山へ地方移住後、夫は2年間往復6時間かけて通勤していました。
慣れない田舎生活や3人目が生まれたこともあり、夫も私も余裕がなくてギスギスした夫婦関係が続きます。
そこで会社を脱サラ。
地元企業に就職し、飲食店の立ち上げ運営を任されました。
オープン1年しないうちに人気店となり、忙しすぎて嬉しい悲鳴でした。
お客さんとゆっくり関わりたいと考え、ゲストハウスをはじめることにします。
ゲストハウスとなる古民家に住んでいましたが、そのタイミングで住居用の新しい物件を見つけ契約できたのです。
物事が進むときは、不思議とタイミングが合うものだなぁ、と感じました。
- 4年間住んだ古民家は、とても居心地が良い
- 料理が好き
- 飼っていた臆病な保護犬でも楽しめる環境
そんな理由で、犬OKの古民家ゲストハウスをはじめることになりました。
不安だらけのゲストハウス開業準備
ゲストハウスをはじめるためには、物件購入、または借りる必要があります。
私たちはこれまで住んでいた古民家をゲストハウスにし、新しい住居を購入。二重ローン生活がはじまりました。
ゲストハウスは開業費が本当に大変ですよね。
でも、田舎の物件は都会に比べてかなり安いです。
はじめに購入した古民家のローンはあと3年、という段階で先も見えていたので2重ローンも可能でした。

市と県の助成金も利用して、開業費はギリギリでしたが工事を進めることができました。
手作りのゲストハウス開業準備

開業費はできるだけ抑えないといけないので、内装デザイン、工事の一部、テーブルや備品選定などできることは自分たちでやりました。

蔵に眠っていた丸太で看板も作りました。
同時進行でホームページ作り、インスタでの情報発信で見込み客を増やします。

ホームページもSNS時代ですが、やはりホームページはお店の信頼につながります。
どちらも運用することで集客が可能になると実感しています。
ゲストハウス開業準備はとにかくやることが多い!
目標を設定して、はやめはやめに動いていかないとオープンはどんどん遅れるので焦りました。
開業前は不安との闘い
- 自分たちが準備しているサービスに本当に需要があるのか
- 誰も来ないかもしれない
- お客さんに満足してもらえなかったらどうしよう
- 経営の面、調理、接客など、失敗したらどうしよう
はじめての宿泊業は未知の世界です。
楽しみな反面、不安と恐怖は常に感じていました。
オープン1か月前を切ると、動悸がして目覚める日もあり精神的に不安定だったと思います。
開業前の不安な気持ちの対処がとにかくつらくて大変でした…

不安につぶされそうでしたが、その気持ちと向き合う方法がとても役立ちます。
みなさんにもぜひ参考にしてほしい!
オープン後の失敗談、ありがとうの声

ドキドキしながら迎えたゲストハウスオープン。
宿作りに一生懸命すぎて、備品を用意するのを忘れていました。
「ドライヤーどこですか?」
夜に電話がかかってきて、急いで買いにいったのは今では良い思い出です。
完璧ではないはじまりでしたが、古民家の居心地の良さや犬たちが自由に過ごせるストレスのない時間、地元食材にこだわった温かい食事は好評でした。
「また来ます」
初めてのお客さまの寛容さにも助けられ、なんとかスタートを切ったゲストハウス経営。
やりがいは、なんといってもお客さまの嬉しい声です。
スタートがゴールではありません。
開業前と開業後は、悩みの質がまた変わってきます。
ゲストハウス集客に悩んだ日々と工夫

ゲストハウスオープン前からはじめたInstagramやホームページでの広報は効果的で、オープン直後から予約はコンスタントに入っていました。
観光地なので街全体で集客力があるのも功を奏しました。特に春秋は人気です。
ただ、思ったように予約が入らなかった時期もあります。
夏も意外に集客力は落ち、冬は雪国というイメージがあるのでかなり予約数が減りました。
商売は春夏秋冬
サロン経営時代に個人事業主の友人に教えてもらった言葉の意味を、身をもって感じる1年でした。
集客は試行錯誤を続け、SNS投稿、ブログ記事の更新を定期的におこないました。
また、お客さまへのメール対応なども丁寧におこない、できる限り個別の要望にも柔軟に対応することで満足度を上げました。
その結果、口コミやご紹介でのご利用も増えていきます。
未経験だった宿泊業ゲストハウス運営の流れができ、結果がともなった1年となりました。
1年目でゲストハウス経営を黒字化できた理由

この1年を振り返ると、大きな成功ではなくコツコツとした積み重ねが黒字化につながっています。
支えてくれた人たち、お客さまの存在、夫婦で協力したからこそ続けられた日々です。
ゲストハウス経営で集客がうまくいった理由は以下のとおりです。
①コンセプト/ターゲットがしっかりしていた
コンセプト/ターゲットをしっかり設定すれば、誰に何を発信するかが明確になります。
インスタやブログでは、ターゲットに向けたメッセージを主に書いています

ターゲットの悩みを解決するための内容で発信を続けました。

②口コミ、紹介が多かった
コンセプト/ターゲットの設定は、そのターゲットの悩みを解決できる店作り・商品開発がしやすくなります。
利用者の喜び・満足につながり、この店を誰かに紹介したい、自慢したいという気持ちが生まれます。
私たちがはじめたゲストハウスは、犬連れに優しい宿として口コミが広がりました
1年で3回利用される方も数組いました。
愛犬と泊まるならこの宿、と決めてくださり、さらにお友だちも紹介、リピーターの存在はとてもありがたいです。
②ホームページ/インスタ(SNS)発信をオープン前からはじめていた
オープン1年半前からインスタ(SNS)発信、ホームページを公開していました。

④ターゲット層にマッチした宿作りができた
コンセプト/ターゲットが決まっているので、その人たちがどうしたら快適に過ごせるかを考えられます。
サービス、商品開発はターゲットの悩みを解決するためのものです。
犬が自由に過ごせること
犬連れのお客さまがストレスなく過ごせる空間作りを意識しました。
⑤料理写真の撮影を一眼レフに変えた

スマホ撮影から一眼レフでの撮影に変え、ほとんどのお客さまが食事を申し込んでくれました。
一眼レフ初心者なのでオート撮影のみでの撮影ですが、味のある写真に仕上がりました。
カメラの性能に感謝です。

こちらの記事で、一眼レフ初心者の私が料理撮影で意識しているポイントを紹介しています。
⑥掃除を徹底、きれいな宿作り

『古民家だけど想像以上にきれいでびっくりした。』という声が多いです。
窓やクモの巣、照明の上のホコリ、水回り、草刈り。隅々まで気を配り掃除は徹底しておこなう。
オープン以来、掃除にはかなり気を遣っています。
掃除を隅々までおこなうのは、お客さまが気持ちよく過ごしてほしいという気持ちの表れです。
その気持ちは、ちゃんとお客さまに伝わっています。
⑦言葉と心を交わす接客
遠くまでやってきて、その土地・その宿の人と話すのも旅の思い出です。
初めてのお会いした方ともさまざまな話しをしながら、コミュニケーションをとります。
お客さまを接客する、という気持ちよりも人と人との交流。
それが心地よさであり、「この宿に来てよかった。」につながります。
夫婦起業で学んだこと

夫婦起業で難しい点は、仕事もプライベートも一緒なので、『言わなくても分かるだろう』という思いを持ちやすいこと。
一緒にいるからこそ、伝える努力をして、あやふやなまま放置しない注意が必要です。
良かった点は、お互いの得意分野を尊重した役割分担ができたこと。
私は料理、ホームページSNSでの広報集客、夫はDIYと清掃、業者との交渉など。
役割分担することでお互いの仕事に集中でき、開業準備・開業後の運営がスムーズにできました。
意見の違い、衝突は何度もありましたが、同じ目標を見ていることで乗り越えています。

【まとめ】はじめてのゲストハウス開業 成功のカギは
- コンセプト/ターゲットをしっかり設定
- オープン前からホームページ/SNS発信をはじめる
- 夫婦で力を合わせる
- 丁寧な接客対応、お客さまに喜んでもらう気持ちがリピート口コミにつながる
ゲストハウス経営はベッドメイク(リネンの管理)、料理提供など。
特殊な事情が多いイメージがあったので、オープン前は不安しかなかったです。
お店が始まって半年もたてば、料理提供、ベッドメイクも手慣れたもの。
はじめは調べることが多いし、準備に時間がかかることも多いですが、未経験だからできないわけではないんです。
不安を乗り越え、1つ1つ丁寧に、お客さまに喜んでもらうための努力を積み重ねる。
田舎でゲストハウス経営を成功させるカギは、地道な継続にあります。
はじめての宿泊業、はじめは大変ですがあなたにもできます。